考察

運動は脳を活性化する!~運動が脳に与えるうれしい10の効果

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運動は脳を活性化する!

脳を活性化する究極の方法は、「運動」であると言われています。2000年以降、「運動は脳に対して、ものすごく良い効果を与える」というエビデンスがたくさん示されるようになったこともあり、近年その効果はとても注目されています。

考えてみれば、植物に脳はありません。脳があるのは(たとえそれが原始的なものであっても)動き回る生物、すなわち動物です。 つまり、「運動」をするために「脳」が存在し、「運動」をすることで「脳」が活性化する。これは至極自然なことと言えるでしょう。

今回は、簡単に「運動が脳に与えるうれしい10の効果」をまとめてみます。

 

運動が脳に与えるうれしい10の効果

 

1.海馬の神経を増加させ、長期記憶を強化する

1996年に運動することによって、神経の栄養となり神経を育てる物質である『脳由来神経栄養因子(BDNF)』という物質が分泌されることがわかりました。

つまり運動するとBDNFが分泌され、そのBDNFによって神経細胞の増殖が促進される、すなわち、運動すると脳が育つというわけなのです!

そして、海馬(情報の「仮保管庫」)が成長することによって、「長期記憶」が強化されるということになります。

 

2.高齢になっても脳を育てる

神経科学者アーサー・クレイマーらは、普段運動する習慣のない60~79歳を「有酸素運動」群と「ストレッチ」群の2つのグループにわけ、週3回、1回1時間ずつのトレーニングを行わせました。

すると6ヶ月後のMRI検査で、ランニングマシンを使った「有酸素運動」群において前頭葉と側頭葉の皮質の容積が増加したことが認められました。

つまり、運動することによって高齢になっても脳を育てることができるというわけです。

たった6ヶ月程度の運動でも脳そのものに変化がみられるのですから、運動しない手はないですね!

 

3.運動の直後から学習機能がアップする

2007年に行われた研究によると、最大心拍数の60~70%を保ってたった1回、35分間ランニングマシンで走ったところ、柔軟な考え方をしたり(柔軟性)、独創的な思考や解決策を生み出したり(遂行機能)することの能力が向上するということがわかりました。

つまり、たった1回の運動だけでも学習能力が高まり、勉強の効率がよくなるということなのです。

 

4.頭が良くなる

たった1回の運動でも、学習能力を高めることができるのですから、継続的に運動を行うことでさらに大きな効果を得ることができるわけです。

勉強もスポーツもできることを「文武両道」といいますが、この「文武両道」が脳科学的に正しいことは、近年の研究で証明されています

朝の0時限目(1時限目の前の時間)に体育の授業に参加した生徒たちの成績が17%もアップしたというデータもあります。

 

5.「作業記憶」が良くなる

脳の作業スペースである「作業記憶」は、30代をピークに低下していくと言われています。そして、作業記憶が低下すると「ど忘れ」が多くなり、注意力や集中力など様々な能力に影響を及ぼします

運動をすることは「長期記憶」だけでなく、この「作業記憶」の改善にも効果があることが知られています。

「ムーブナット」という自然の中を歩いたり、走ったり、木登りをしたりする運動をすることで、運動前と比較すると、作業記憶を計測するのテストにおいて運動後は50%以上も成績が上がったというデータもあります。

 

6.グッスリ眠れる

記憶を定着させるためにはグッスリ眠るということが重要です。そして、誰しも経験があるように運動をすると、グッスリ眠ることができるのです。

運動すると睡眠の質や集中力が上昇し、疲労感も改善されます。熟睡することによって、脳の疲れを回復させ記憶力や集中力、勉強の効率を向上させることができるというわけです。

 

7.モチベーションが高まる

勉強や学びのためには「続ける」ということが不可欠です。

そして、「続ける」ためには「モチベーション」や「やる気」を保つことが重要です。

「モチベーション」や「やる気」を維持するための物質が、ドーパミンです。このドーパミンは、運動するだけで分泌されるということがわかっています。

ドーパミンには、それ自体に記憶の増強作用があるとされています。運動することでモチベーションもアップし、さらに記憶力も向上させることができるのです。

 

8.ストレス発散ができる

ストレスがかかると副腎皮質からコルチゾールという物質が分泌されます。

大量のコルチゾールが分泌されると、海馬の細胞はそのストレスで死んでしまいます。文字通り、ストレスが脳を殺してしまうのです。

これに対して、運動することによってコルチゾールを低下させることができるのです。そのため、運動することはコルチゾールを低下、正常化させることで、記憶力の低下を防ぎ、改善することができるというわけです。

 

9.認知症を予防できる

認知症の予防では、主にアルツハイマー病についての議論がなされています。アルツハイマー病の予防に関しては、脳トレを行うことや人とのつながり(社会性)を持つことなどが効果があると言われていますが、実は十分なエビデンスがあるというわけではありません

その点、「運動」によるアルツハイマー病の予防効果はエビデンスがはっきりしています。定期的な有酸素運動がアルツハイマー病の予防に効果的であるという報告が多数あるのです。

 

10.気分が明るくなる

運動したら気分が明るくなるというのは、誰しも経験のあることと思います。

実際、運動するとセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった「晴れやかな気分」と深く関係のある脳内物質が分泌されるというたくさんのデータがあります。

また精神医学の世界では、運動がうつ病に対し「薬物療法」と同様の効果があるとされています。

 

まとめ

以上、「運動が脳に与えるうれしい10の効果」をまとめてみました。

やっぱり人間も「ヒト」である前に「生物」であり「動物」です。「動物」の特徴は、動くこと

とにかく、動くことが重要なのです。

そして、冒頭でも触れたように脳の本来役割は「動く」ことにあったはずです

私たちの脳にとっては、考えることよりも「動く」ことのほうがよっぽど大切なことなのです。

それわ忘れてしまっては、本当の意味で脳を成長させることは難しいのではないでしょうか。

 

<参考文献>

覚えない記憶術
Posted with Amakuri at 2017.9.24
樺沢紫苑
サンマーク出版

 

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