考察

行列があると並びたくなる!他人がやっていることに思わず同調する心理『ソーシャル・プルーフ(social proof)』とはなにか

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『ソーシャル・プルーフ(social proof)』

『ソーシャル・プルーフ(social proof)』とは、日本語で『社会的証明』といい、「自分の意見の妥当性を証明すること、ひいては他人に思わず同調してしまうこと」を表す心理学の専門用語です。

この『ソーシャル・プルーフ』によって、人がやっていることだからということで、他人に思わず同調してしまう、つまり「行列には並びたくなる」のです。

 

通販の売り上げを倍増させた宣伝

アメリカのテレビタレントであるトニー・リトルは、深夜の健康器具の宣伝で有名な人です。そんな彼の人生を運命を変えたのは、コリーン・ゾットという女性のあるアドバイスがきっかけだったといいます。

それまでのトニーは、ほかのテレビコマーシャルと同じように、「オペレーターがお待ちしています、お電話ください」と宣伝していました。

これに対してコリーンは「だめだめ、言い方を変えて“電話がつながらない時はおかけ直しください”にしましょう」とアドバイスしました。

その結果、驚くべきことが起こりました。

なんと、売り上げが倍増したのです。

 

「電話がつながらない」は嫌ではないのか

しかし、コリーンのアドバイスはよくよく考えるとふとこんな疑問が生じます。

「電話がつながらない時はおかけ直しください」ということは、ソファでテレビを見ていたのにわざわざ起き出して、電話をかけても「電話がつながらない」可能性が高く、かけ直すことが必要になるということを示しています。

普通に考えれば「電話をかけ直す」という手間を考えると、あんまり電話をしたいとは思わないものです。

しかし、実際には、このコリーンのアドバイスがお客さんを惹きつけるという結果になりました。

一体、どうしてでしょうか?

たしかに、「電話がつながらない」という状況では、時間も手間も余計にかかってしまいます。しかし、その時間や手間よりも重要なことは「ほかの人たちもみんな電話をかけている」と思わせたということです。

もしこれが、「オペレーターがお待ちしています、お電話ください」だったら、事務所のような部屋でオペレーターの人が電話に向かって、ポツンと待っている情景がなんとなく想像されてしまいます。

しかし、一方で、「電話がつながらない時はおかけ直しください」だったら、ひっきりなしに電話が鳴っていて、この商品を買いたい人が他にもたくさんいるように思わせることができるというわけなのです。

これこそが『ソーシャル・プルーフ』というものです。

つまり、「ほかの人はどうしているのだろう。ほかの人がやっていることはすばらしいことに違いないから自分もやってみよう」と考えてしまうというわけなのです。

 

まとめ

街でどのお店に入るか迷っているとき、入ってみたいレストランが2つあったとして、片方には行列ができていて、もう一方には行列ができていたとします。

急いでいたり、極端に行列が嫌いだったりしない限り、一般的な心理としては「行列のできている店のほうが美味しいに違いない、自分もこの行列に並ぼう」と思うのではないでしょうか。

また、例えば飲み物を買うときなんかにも、「こっちのほうが減っているから、売れているに違いない、みんな買っているのだ」と考えたりするのではないでしょうか。

それこそが『ソーシャル・プルーフ』です。

私たちの生活は、想像よりも他人からの影響を受けています。なぜなら、人間は本能的に、ほかの人がやっている行動は正しいはずだと思い込んでしまうからです。

 

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