考察

憧れのあの人の脳で考える!『いっそのこと憑依される』勉強法

更新日:

『勉強』とは何かの再考

明治大学文学部教授の齋藤孝先生によると、勉強とは「自分と異なる考えも含めて、先人たちの知恵を学ぶこと」であるといいます。つまり、初めは自分とは相容れない考え方のように感じても、学んでいくうちに「その考えには説得力があり、筋道が通っている」と思えることこそが、勉強の成果であるというのです。

たしかに、勉強の本質はそこにあるような気がします。ともすれば、私たちは「成績」という評価を高めることこそが勉強だと思ってしまいがちですが、勉強とは「先人の知恵」を学ぶことであるはずなのです。

そして、そのために最もいい方法というのが「先人たちの優れた頭を自分に移してしまう方法」、すなわち「憑依される勉強法」であるとされています。

 

『憑依される勉強法』とは

先人たちの思想を知るためだけの読書では、受動的な行為にすぎません。つまり、自分の頭で考えなければ「ふーん、そうなんだ」で済んでいくということです。これでは、先人たちの知恵を身に付けるということは難しいということは想像に難くないことです。

しかし残念ながら、勉強と言えば読書、読書といえば「思想を知るためのもの」という考えが多いことも確かです。

そこで、上記のような「自分と異なる考えも含めて、先人たちの知恵を学ぶ」という勉強をしていくためには、自ら積極的に考えながら読書をお行う必要があるというわけです。齋藤孝先生は、この読書方法のことを『積極的受動性』と呼ばれています。

この『積極的受動性』をもつことによって、先人たちの思想を深く知り、自分のものにすることによって、あたかも自分が先人と一体化したかのように思想を深め広げていくことができる、ともおっしゃっています。

『積極的受動性』を身に付けるためには、「自分の力みを積極的に取り去り、心をオープンにしていく」作業が必要です。

この心をオープンにしていくという程度が、相手に自分のすべてを思いっきり明け渡す感覚、つまり「憑依される」が如くということになります。

 

『憑依される』ための具体的な方法

『憑依される』ためには、まず『憑依される』ための誰かを決めなければなりません。「自分が尊敬できる人」であれば、芸能人や漫画家、映画の主人公でも構いません。とにかく、その人の考え方や生き方といったものをリスペクトできることが重要です。

そして、誰かをリスペクトし、その頭を自分に移したいと思ったら、ある一定期間は、その著書しか読まないし、その世界のことしか話さないようにします。

そのくらい、どっぷりとその人の考えに浸かっていると、いつしか完全に乗り移ってくるようになります。

齋藤孝先生によると、「それがニーチェなら、ニーチェの言葉があたかも自分が言っているように思えるほど、ニーチェに染まります。」というほどなのだそうです。

そして、自分が彼らの書物について、どんなに大胆な解釈をしても、彼らは叱らないに違いない。それどころか、きっと喜んでくれるはずだ。なぜなら、私はあなただから、といった思い込みが生じてくる、そうなのです。

ここまでなるには大変な量の本を読み込む必要がありそうですが、これこそが「知的」であるということの本質ではないかということです。

 

まとめ

『憑依される』というと、ある種のマインドコントロールのような感じがしますが、齋藤孝先生によると「故人であれば、所詮相手は本であり、本人はこの世にいないので、いつまでもマインドコントロールをかけ続けられることはない。」とされています。たしかに、マインドコントロールというのは外部から意図をもった人間によって行われるものであり、故人などこの世にいない存在によってなされるものではないですよね。本から学んだ知識に基づく、自分の考えなら、それはもはや自分の考えであるはずなのです。

また、この『憑依される』方法は、医学博士の築山節先生によって「不快を和らげる方法」としても紹介されています。他人の脳で考えることは、情報に対する解釈を変え、感情を変えることができる、つまり不快を和らげることができるというわけなのです。

すなわち、「知的」であるということは、いろんな角度から物事をみることができるということではないでしょうか。そして、そのためには本を読み、先人たちの知恵を学ぶことが重要であると言えます。

 

<参考文献>

-考察

Copyright© 脳と心の勉強部屋 , 2017 All Rights Reserved Powered by STINGER.