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記憶力を高めるために知っておきたい!印象についての《13の法則》

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記憶力を高めるために知っておきたい!印象についての《13の法則》

 

ウィリアム・W・アトキンズ『記憶力』

ウィリアム・W・アトキンズの『記憶力』(原題:『Memory Culture : The Observing, Remembering and Recalling』)は1903年刊の本です。100年以上も書かれた本であるにも関わらず、学ぶことが本当にたくさんあります。

著者のアトキンズは、記憶術を完全に否定しないまでも暗記だけを目的に技巧に走ることには批判的であったとされています。そして、この本では目標はあくまでも記憶力そのものを鍛えることであるとしています。

そのため、本全体を通して読んでいくことで「モノの見方」や「考え方」などを学んでいくスタイルなのですが「印象に関する13の法則」ということで「記憶力を高めるための法則」がまとめられていたので、紹介したいと思います。

 

印象に関する13の法則

この法則は、本文の表現を借りれば『「記憶」と呼ばれる精神活動を支配している法則』です。この法則を知れば、かなり記憶力の向上が期待できることは間違いありません。アトキンズによる記憶力の鍛錬では「印象」を重視します。そのため「印象」に関する法則とされています。

 

法則1:集中力を使って鮮明な印象を取り込めば、あとから思い出しやすくなる

一般的に印象の強さは、対象物に向けられた注意力と興味の量に正比例します。つまり、なにか作業をしながら横目で見ていたテレビ番組よりも、楽しみにしてメモを取りながら見ていたテレビ番組のほうがよく覚えているということです。勉強したことが頭に入っていないのは、その教科や分野に興味がないというのが最も大きな原因でしょう。明確な印象を記録できるようにするためには、注意力と興味を強化することが大切です。

 

法則2:最初に印象を受け取ったときに、明確に記録すること

あるものの印象すなわち記憶の元になる情報は、最初に受け取った印象のうえに築かれていきます。そのため、最初の印象が明確でない場合には最初の印象を削除して、もう一度最初から始めることが必要となります。何事も、最初から気を抜いていてはいかんのです。

 

法則3:最初からあまりに細かい部分まで覚えようとしないこと

自然界の法則として「歩く前に這う」ことがあります。専門書で勉強する前に、初心者向けの本で勉強する、さらに初心者向けの本の前に、一般向けの百科事典で勉強しおくというように、大きな部分からだんだんと細かい部分を覚えることが効果的です。

 

法則4:頻繁に思い起こすほど、印象は鮮明さを増していく

復習が大事なことはいうまでもありませんが、ポイントとしては最初に受け取った印象を意識的に思い出すということです。つねに訓練と復習を繰り返すことで、印象の鮮明さは増していきます。何度も繰り返しするような話のネタは忘れにくいものです。

 

法則5:印象を思い起こすときは、印象の元になっている対象物をなるべく再確認しないようにすると、永続性のある強い印象になる

我々は復習などといってすぐに元の対象物に戻ろうとしますが、重要なことは頭の中で何度も印象を思い出す作業をすることです。自分で思い出すことをせず、再確認することは新しい情報としてまた初めから印象を受け取ることになり、非効率的です。

 

法則6:記憶力の訓練には、対象物の新しい印象を取り込むことよりも、過去に記録された印象を思い起こすことが大事

細部が思い出せないからといって、すぐに対象物に戻るのではなくできるだけ自分の記憶に頼るべきです。毎回思い出すように努力することで、記憶力は確実に訓練されていきます。

 

法則7:対象物をはじめて観察しているとき、つまり過去に記録された印象がないときは、似ている印象を思い出して、連想のチェーンをつくればよい

新しい印象でも、類似性のある過去の印象と結びつけることができれば新しい印象でも古い印象として扱われ、記憶することが楽になります。「この人は、あの有名人と同じ名前だ」とか「あの人に似ている」といったような情報は覚えやすいというのがこれにあたります。

 

法則8:連想のチェーンをつくれば、一つの印象から次々とつながるようにして、ほかの印象がよみがえる

「連想のチェーン」をできるだけ論理的な順番でつくっておけば、あとからたどって記憶を呼び覚ますことができます。「内閣総理大臣の名前をバラバラにあげなさい」というよりは「歴代内閣総理大臣をあげなさい」というほうが出てきやすいということです。また、日本人ならアルファベットは大抵メロディ付きで覚えており、メロディの順番で引き出してくるのもこれにあたります。

 

法則9:対象物の観察や調査には、五感を最大限に活用すること

複数の感覚を使えば使うほど、印象を多く取り込めます。読むだけよりは、読んで書いたほうがいいし、さらに音読したりするほうがいいということです。味や匂いは特に記憶に残りやすいとも言われています。

 

法則10:弱い感覚は、その感覚に合った方法で鍛えれば大幅に改善できる

感覚は鍛えれば鍛えるだけ、印象をより鮮明にすることができます。画家が色を覚えてたり、料理人が味をよく覚えていたりするということです。

 

法則11:ある印象を思い出せないときは、その印象と同時に受け取られた印象か、関連性のある要素を思い出す努力をすれば解決できる場合がある

例えば、相手の名前が思い出せないという場合に50音順に探していけば思い出す可能性があります。また、いつ、どこで聞いた名前なのかを思い出すことも効果的です。

 

法則12:ある印象を思い出したいときは、それとつながりのある明確な印象を思い出し、同時に取り込まれていたほかの印象をよみがえらせること。見境なく思い出そうとするよりも、このほうが効果的である

50音順に総当りするよりも、その印象が記録されたときの状況にできるだけ近づくようにするとより効果的です。家で試験勉強をするよりも「試験のある教室」で勉強するほうが、情報を思い出せる可能性は高くなります。

 

法則13:意識的に思い出そうとして失敗した印象が、あとで自然によみがえってきた場合、将来利用できるようにその直前に顕在意識に入ってきた印象を覚えておくこと

試験中には全く思い出せなかったのに、試験が終わった途端に思い出すことというのはよくあります。そのときの感覚や印象を覚えておけば、将来もう一度思い出すときに利用できるというわけです。

最後に

100年前の本なのに、現在の記憶力についての考え方とあまり変わっていません。それどころか、未だに知らなかったような情報もあり、とても学ぶことが多い本でした。

この記事で紹介した『13の法則』を知っておくだけでも記憶力に対する考え方や、覚えたい情報に関する意識は相当変化するはずです。そして、これが変化してくれば確実に記憶力そのものも変化してきます。

結論としては、記憶力は使えば使うほど鍛えられるということです。今回ご紹介した法則をもとに、どんどん記憶力を使ってより強靭な記憶力を手に入れましょう。

 

〈参考文献〉

記憶力
Posted with Amakuri at 2017.8.9
ウィリアム・ウォーカー アトキンソン
サンマーク出版

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