読書

生きる勇気をもらえる本

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『好きなことをやりなさい』

ほんまにオレはアホやろか/水木しげる

水木しげる漫画との出会い

2015年11月、水木しげる先生が亡くなられた。ショックだった。


私が、先生の漫画を初めて読んだのはそれほど早くなく、中学生のときだった。まだ、小さい頃に、母につれられてレンタルビデオ屋で借りて『ゲゲゲの鬼太郎』は見たことがあったけれど、漫画というものに出会うのがそもそも遅かったから、その漫画に手を出すのも遅かった。

漫画で読む『ゲゲゲの鬼太郎』は、純粋に好きだと思った。なんというか、絵が好きだ。1ページの絵をずっと眺めていても飽きない。その緻密さがほんとに好きだ。

初めて、買い揃えた『ゲゲゲの鬼太郎』は「ちくま文庫」から出版されているもの。今となっては、少し恥ずかしい話だが、当時はこれで全部集めた気になっていたのだ。

それから、時は過ぎ、大学生になって私の『鬼太郎』熱は再燃した。色んな漫画を読み、本屋さんを物色するうちに、別の出版社からも『鬼太郎』なるものが出ていることに気がついたのだ。そうなると、他の『鬼太郎』が気になる。

あわてて、その違いを調べてみると、どうやら先生は色んな出版社で描いてらしたから、あちこちから本が出版されているらかった。さらに、中には絶版されているものもあるから、完璧に揃えるのは難しい、とあった。

さすがに、全部揃えるのは難しくてもなんとか続編とか、一度は読みたいものだなぁと思っていると、『水木しげる漫画大全集』が発売された。これは、すべての『鬼太郎』も網羅しているらしい。

願ってもないことだったが、当時の私にはお金がなかったから、さすがに買えず、それでしかたないので、角川書店から出ているシリーズを買い、そのうちあの「大全集」を買おう、と思っていた、そんなとき、水木先生が亡くなられたのである。

水木しげるの本を読む

そういうわけで、私が水木しげる先生に注目しているところに、世間でも『水木しげる』が取り上げられるようになった。本屋さんでも文庫本が平積みになった。そうすると、先生の漫画以外の本にもつい目が行く。

戦争で片腕を無くしたことなどはなんとなく知っているから、その生き方がどんなものなのか知りたくなった。

何冊か読むうちに、内容は自伝的なものが多いからほぼ同じようであるが、その文章の虜になった。

どんなことが書いてあっても、水木しげる漫画を読んでいるような、そういうタッチの軽さを感じたからである。

自分の悩みなんて大したことない

さて、前置きが長くなったが、今回紹介するのは、そんな水木しげる先生の著書『ほんまにオレはアホやろか』(講談社文庫)という本。

これは文庫本で、ページ数もそれほど多くないのだが、先生の人生がギュッと凝縮してある。

試験を受ければ落第し、戦争に行き、マラリアにかかり、片腕を失い、かと思えば、魚屋さんをやったり、マンション貸しをやったりする。

漫画が売れるのは、ずっと後の話なのだ。

この本を読んでいると、大変な人生を送った方だなぁと思うわけだけれども、しかし、「つらい」という感情の描写はない。なんだか、大変なことになったが、まぁ、なんとかなった、そんな軽いノリなのだ。

だから、今の自分が苦しんでいること(上司とのいざこざとか、勉強の成果とか)がとてもちっぽけなものに思える。

先生の人生の比べたら、なんて平凡な人生なんだ、そうとすら思えるのである。

生きる勇気が湧いてくる

水木先生は、こんな大変な時代でも、こんなに生き生きと毎日を生きた。どんなにつらい(と思われる)状況でも、好きなことはかかさない。

この事実は、生きる勇気をくれる。

こんなに生きやすい時代に、なにを自分はぐずぐずやっておるのか、とそんな気持ちになるのだ。

あとがきに、こんなことが書いてある。

「わが道を熱心に進めばいつかは、神様が花をもたせてくれる。」(239ページ)

好きなことをして、生きる。言葉で言うのは、簡単なことだが、それが難しい。それをやってのけたのが、水木しげるという人ではないだろうか。

今は先生が過ごされた時代よりも便利になった。好きなことをしても、誰かに怒られたり、禁止されたり、ということはない。(好きなことと楽なことは違う。)

好きなことをして、今を楽しんで生きる。そんな生き方がしたいと思う。

好きなことができない(と思っている)人、今を楽しみたい人、何かに失敗して落ち込んでいる人、そういう人にオススメの一冊です。

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(本に挟まっていたカード。せっかくなので、鬼太郎を添えて額縁に入れた。)

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